よくある日本を馬鹿にしたプロパガンダ的作品でもありませんし、全体に好意的に作ろうとしたのだろうと思います。この作品をつくるために、日本の文化や歴史をかなり勉強したのだ!ということも、何かで読んだ記憶がありますが・・・。やはり、一年やそこらアメリカで売ってる本なんかで勉強したところで、ここまでか・・・と思わずにいられなかったです。
所詮、日本人ならぬ大人が、いくら好意的に日本を読み解いたとしても、偏見はぬぐえないのだと思いました。。。
「武士道」、これがアメリカ人に理解できる日は永遠に来ないと思います。出来なくて当然なのです。だって、彼らは日本人ではないのですから。
だから、難しいことは言わず、偉そうに評論もせず、今日もハリウッド的勘違い日本を楽しみましょう!
この映画も変な日本がてんこ盛りですよ!
まず、しょっぱなから虎と武士が戦ってます。これは勝元の妄想なんでしょうかね?なんにせよ、日本に虎はいません。
主演トム・クルーズ演じるオールグレン大尉が横浜に到着したとこも、ぶっ飛びます。横浜からすぐ御所まで行けちゃいます。御所は山の上の寺みたいな入り口から入るんですよ。富士山もキレイに見えてます。富士山の位置がおかしすぎでしょう。。。
天皇陛下にもすぐ会えちゃいます!お言葉までもらっちゃいます!
(始まって数分といったとこですが、ここまででも「なんでやねん!」連発です)
侍・勝元は刀しか使いません。んなわけないでしょう。。。日本は鉄砲によって統一されたようなもの。その時代は、この映画の設定よりおよそ300年ほど前の話なのは、日本人の皆さんならよくおわかりのハズ。
そんな時代錯誤な殿様・勝元、でも、英語はペラペラ喋ります。
勝元は「吉野の国」の殿様なんですけど、「吉野の国」って・・・?やはり、「大和の国」の吉野のことと思っていいのでしょうか・・・?
まぁ、フィクションだから地名なんてどうでもいいんだよ!と言われればそれまでですが、奈良育ちの私としては、「吉野」と言われると、どうにもアリアリと吉野の風景が思い浮かべられるので、ますます違和感が・・・!
そんな「吉野の国」ですが、富士山がよく見えます。
でも、日本にありえないような植物が生い茂り、殿様なのに、すごーい険しい山の中に住んでます。天守もないし、城下町もありません。
もっとありえないことに田んぼがありません。雪に閉ざされたらどこへも行けないそうです。。。この国の生業は何なんでしょう?
士農工商の区別が全く無いですし・・・日本人は皆サムライではないんですけどね〜。
お食事シーンでは、殿の甥っ子であるはずの若君たちのお行儀の悪さにウンザリします。背中丸めて肘ついて食ってます。
そして、ハリウッドだから仕方がないのですが、この映画にも当然の如く「忍者」が登場します。
明治になっても忍者が活躍していたなんて驚きです。
(あ、ハリウッドでは平成になっても忍者は活躍しているんでしたね)
桃色の桜が咲き誇ってるのも胡散臭さに拍車をかけます。
殿の妹のたかが供も連れず、山の中で沐浴もびっくりだし、裸を外人に見られて平気なのもびっくり。
そして、再度東京に戻るのですけど、今度は立派な天守閣が映ります。
あれは江戸城のつもりなのでしょうか?
も〜、江戸城には天守閣はないんですよ!!(かつてはあったそうですが、大昔のことで明治には確実にありません)
江戸城の天守に関しては、日本の時代劇なんかも適当で、よく姫路城が江戸城として登場しますから、あんまり批判できたものでもありませんが・・・。
後半の戦闘シーンも、愉快ですね。
官軍VS幕府軍ではなく、明治軍VS戦国時代軍です。
他のハリウッド映画にもよく描かれますが、銃に日本刀で立ち向かう!・・・しかも今回はガトリング銃ですよ。そんなものに日本刀と弓矢で対抗できると思う人間はいませんてば・・・。
いやいや、戦国時代でも鉄砲は使ってましたね。(笑)
たかとオールグレンのキスシーンも余分でしょう。
夫を殺した異国人と?由緒正しい大名家の姫が?ないないない・・・。
武家の女ってのは、侍の女版だってこと全然わかってませんね、ハリウッド。
でも、コレ、忠実に日本を再現してたら、多分、たかは眉ナシお歯黒で、アメリカ人なら間違いなく引く姿をしてたと思うので、まーあんまりキッチリと再現しなくていいとこは、やっぱ、あるのですね。
FUJIYAMA、SAMURAI、NINJA、KATANA、HARAKIRI、SAKURA、CHONMAGE、SAKE などなど、外国人から見れば、「NIPPON!」なんでしょう。
外人さんにはわからない日本のワビサビを描いてもらおうとは思いません。
私だって「ラストエンペラー」観ても、どこが変か、わかりませんもの。
だから、エンターテイメント的には成功した作品だと思います。
ただ、この映画のために日本を勉強した!と公言するなら、地理と季節くらいはマトモであってほしかったです。
残念なのは、諸外国の方に歴史物として捉えられること。この時代の日本とはこんなのではありません。そしてサムライも!断じて違います!
(「るろうに剣心」のほうがまだ近いのでは・・・?)
そして、もうひとつは、この映画を高く評価し、涙した日本の方々・・・。
いや、何度も言いますが、エンタメ的にはとても良い映画です。文句ないアクション大作です。
でも、これはフィクション設定なんだよ!と我々日本人が言わないでどうするんですか?
これが、「本当の日本史」「日本の風景」「日本の文化」として世界に受け入れられるのは、私はイヤですけどネ。
余談ですが、この映画を観てスティーブン・セガールが「違う!」と言ったそうな。「トム・クルーズは日本について何もわかってない!」とも。
でも、あーた、「ラストサムライ」は「イントゥ・ザ・サン」より日本について、正しかったような気がします。
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